コラム

配偶者との死別は人生最大のストレス

「喪失」というのは実に幅広く使われている言葉で、誰かが亡くなったということだけでなく、普段の生活の中に常に存在しています。

例えば、大切にしていた物が壊れてしまう、転職した、目標が無いなども喪失と捉えられています。

 

特に「配偶者との死別」はこの喪失における人生最大のストレスと言われており、それが人生の比較的早い段階で予期せずやってきてしまった私たちはこれからの人生の再構築を余儀なくされています。

ではこの人生最大のストレスに対して、どのように対処すればいいのでしょうか。

最大のストレスだからひとりで抱えきれないのは決して悪いことではない

まず初めに、人生最大のストレスというくらいですから、自分の人生をすべてひっくり返してしまうだけのパワーがある出来事だということです。

死別の衝撃、遺族を襲う嵐のような感情 どう向き合う?

https://www.asahi.com/articles/ASMB556BTMB5ULBJ00B.html

 

ストレスの強さを測るものさし

https://diamond.jp/articles/-/6020?page=3

つまり、早い段階で「認めてしまう」ということも大切です。「ああ、1人では無理だ」と思えば、周囲のプロの助けを求めることもできます。

逆に、それを認められないと自分ひとりでもがき苦しむことになるため、グリーフワークやグリーフプロセスが長引いたりこじれてしまうことになります。(※)

※個人差があります。

「こんな大変なことが降りかかってきたんだから、自分だけで立ち向かえなくたってしょうがないよ」と思うのは全く悪いことではないし、むしろ当たり前だということです。

助けを借りるのはその道のプロに

私自身もまったく同じですが、誰かに助けを求める場合には、プロが一番安全です。

グリーフカウンセラー、医療関係者やセルフヘルプ(自助)グループなどでしょう。友人知人の場合には同体験をしているわけではないので、本当のところは理解されないケースも多いでしょうし、望まない励ましを受けたり、逆に傷つく言葉を言われたりする可能性が否定できません。

弱っている心にナイフを突き立てられるようなリスクを冒す必要はありません。まずひとりでじっくり考えたいという方には、自分でできることから始めましょう。

 

他者の力を借りることができると、色々なメリットがあります。グリーフへのアプローチ方法や情報への最短でのアクセスやグリーフワークの豊富な選択肢です。経験者の話を聞けたり、言語化しやすくなったり、また自分の気持ちを表現できるということもあるでしょう。

※自助グループの場合、それぞれ対象者が異なっているケースがあります。またグリーフの知識のない人も参加するため、参加したことによって傷ついてしまうケースもゼロではありませんので注意しましょう。その自助グループの質を見極める必要があります。

自分のグリーフのためにプロを活用する

このように、「プロを上手に利用する」という意識で利用し、自分が納得できたり、腑に落ちたりする部分を増やしていくことによってこの人生最大のストレスに対処することが重要です。

グリーフは個人的なものであり、あなたの心境の100%は、あなたにしかわからないのです。

そういった前提を理解した上で、他者に依存するのではなく(気持ちは分かりますが)、他者を上手に利用する(表現は良くないですが)ことが重要です。

目的は、「愛する人との死別、死別からくる喪失、喪失からくる悲嘆」を自分が納得する形で受け入れることですから、そのために何をすればいいのかという視点を忘れないようにしたいものです。

 

今日はそんなことを想いながら過ごしています。

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dan325

10年ほど前に妻を癌で亡くしました。若年死別経験者。愛する人や大切な人の喪失や死別による悲嘆(グリーフ)について自分の考えを書いています。今まさに深い哀しみの中にいる方にとって少しでも役に立てれば嬉しいです。

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