グリーフでは、主に心の動きや感情、価値観といった点がフォーカスされやすいですが、一方で、身体にも大きな影響を与えることも見逃せません。もちろん、亡くなられる方は身体的な原因が多くありますが、遺族のほうも身体に影響を受けることがあります。
※これらは個人差がありますのですべてがそうなるという訳ではありませんのでご注意ください。
心と体はつながっている
予期悲嘆を含みますが、「大切な人が死んでしまうかもしれない」という恐怖と闘ったり「突然の死」を知らされたりすると、私たちの身体はそれに反応します。
心と体はつながっているというのは周知の事実ですが、それが顕著に表れてしまうのも、喪失体験だからではないかと思います。
心を痛めると人間はかんたんに壊れる。しかも簡単には治らない。こんな単純な事実にも気づかない人が多い。#死別 #グリーフ
— dan325@若年死別者のためのグリーフ情報 griefportal.net (@dan3256) April 21, 2021
具体的な例をあげると、以下のような症状が現れることもあります(個人差があります)
- 過食
- 拒食
- 不眠
- 寝続ける
- 倦怠感
- その他さまざまな症状
恐らく、死別体験者の方の中にはもっと多くの身体反応があった方もいるでしょう。私自身も全身にじんましんが出たりもしました。過食や不眠も当然ありましたし、こんなに身体は素直なのかと、体調不良の中で驚いたことも覚えています。
当然ながら、病院にいって治療を受けることが重要です。
心はなかなか見えないが、身体はきちんと反応してくれるのでその声を無視しない
大切な人が病気で苦しんでいるとき、「自分がしっかりしないと」と気を張ることもあります。また死別後も気丈に振る舞う人もいるでしょう。
しかし、実際のところ喪失体験によるショックの度合いというのは、最も大きく、心と体はその声を無視しているわけにはいきません。
それでも、死別後はどうしても身体をないがしろにしてしまいがちです。例えば、不眠による生活リズムの乱れ、アンバランスな食生活、誰にも会いたくないが故の運動不足など、これまでの明るかった生活が瞬く間に崩れてしまいます。
※参考までに「ひとりでできること」をレベル別にまとめていますのでご覧ください。
自分の心の声はなかなか聞こえない(聞こえにくくなっている)かもしれませんが、身体のほうは素直に反応してくれるケースもあるでしょう。
そういったときは、自宅でヨガ、ストレッチをしたり、近所を(誰もいない時間に)散歩してもいいと思います。簡単なことではありませんが、身体の声に耳を傾け労わってあげることはとても大切なことなのです。
愛する人を失うという体験は、私たちのすべてを蝕んでいきます。
しかしそれでも、その中でできることを見つけ、ひとつだけ継続することができます。無気力で怠惰な自分自身にだってできる簡単な何かがあるのです。
もしかしたら、身体の声はあの人からのアドバイスなのかもしれないのです。
今日はそんなことを想いながら過ごしています。