HOME > コラム > コラムコラム(随時更新) 2024年4月30日 Post Share Hatena コラムでは、知識や知恵まで昇華せずとも、執筆者/サイト管理者である dan325 の想いや考えを綴ります。現在公開中のグリーフに関するコラム愛する人の死を乗り越えることなどできない愛する人を失った人は誰しも経験があるかもしれませんが、よく「死を乗り越える」という表現が使われています。 しかし正直申し上げて、私自身はこれまでずっと、この言葉に違和感を感じています。 なぜなら私自身 ...死の後悔は消えないが、自分の生き方で後悔は最小にできるという話後悔- 本当に嫌な感情です。 これはグリーフに限らずですが、「後悔はできるだけしたくない」と思うのが普通でしょう。 恋愛も仕事もあらゆるケースに「後悔」は潜んでいます。ただだからといって後悔することを ...誰にでも起こる「認知の歪み」グリーフワークの過程で、しばらくしてから気づくのが「ああ、自分っておかしくなってるんだな」ということ。何かにつけて反応し文句を言ったり、あらゆるものを拒絶したりして「ああ、人間が壊れているな」と思うこ ...苦しんだのは他者のレッテル貼り予期悲嘆から始まり、死別、そして死別後という各プロセスがありますが、特に死別後において非常に苦しかったのが、他者からの「レッテル貼り」です。 「レッテル貼り」とは何か そもそも「レッテル貼り」とは何で ...死別したら可哀想なのか将来を誓い合った相手を突然失うことは、誰しも想定していないでしょう。「想定の世界」にはあり得ない事態だからです。 しかし図らずとも経験してしまった私たち。そしてまだ経験していない周囲との違いは、ことの ...予期悲嘆と実際の悲嘆はまったく別物という話「予期悲嘆」という言葉があります。私自身は当時この言葉は知らず、実際にはコトが起きてから知り、「そうか、あの時の何とも言えない感情は予期悲嘆だったのか」と気づいた程度です。 死別には予期悲嘆というステ ...若年死別は未来の喪失でもある若年死別、という括りは面倒なもので、年を取ってからの死別とは若干違い(※)があります。 若干の違いと言いつつも、そこが理解されないが故の弊害も大きいのは事実なので、その部分をしっかり見極めたいところで ...グリーフに「ねばならない」は無い愛する人の死に際し、私が非常に苦しんだことのひとつに「こうしなければならないのだ」という強力な先入観があります。 これは自分が想像するより強力で、これによってイヤイヤやらなくてはならなかったり、やりた ...哀しみを比べても自分の答えは出ない喪失からくる悲嘆、哀しみという感情は、とても深く複雑なものです。何年も何年も向き合うことが必要とされる深い哀しみ。 それは愛する人との生前の関係性やそれまでの時間の密度などが密接にかかわっており、それ ...故人がいない世界への対応私たちが住むこの世界には、愛する人が存在していていつまでも一緒にいられるものだという前提で構成されています。しかし、残念ながら、図らずも愛する人と死別した私たちにとって、この世界はまったく別物になって ...「もう元には戻れない」と認めるグリーフプロセスの初期では、愛する人の死があまりにも大きすぎるため、自己防衛本能が働き、愛する人の死を受け入れることができません。 「聞き間違いだ」「何かの間違いだ」「それはウチの話ではない」といった ...忘れることはじょうずに思い出すこと大切な人を失うと「せめて自分だけはあの人のことは何も忘れたくない」という気持ちが強くなります。周囲の記憶からは薄れていく中で、遺族は決して忘れるものかという決意を新たにします。 今回のタイトルは、「死 ...配偶者との死別は人生最大のストレス「喪失」というのは実に幅広く使われている言葉で、誰かが亡くなったということだけでなく、普段の生活の中に常に存在しています。 例えば、大切にしていた物が壊れてしまう、転職した、目標が無いなども喪失と捉え ...真っ暗な世界を歩く伴侶や大切な人を喪失すると、世界が一変しますが、それは一般的に良い方向への変化ではありません。 晴れやかだった世界が、真っ暗闇の世界に変わってしまいます。天地も前後左右も分からない。自分が立っているの ...自分を大切に扱うこと愛する人を失い、哀しみに暮れる私たちはどうしても自分のことをないがしろにしてしまいがちです。自暴自棄になってしまう時もあるでしょう。 しかしそういう時期は誰にでもあるとは言え、ずっとそういう状態が続く ...死別直後は話せる場所があるが、時間が経つとどこにも吐き出せない喪失体験をすると、その哀しみや苦しみは想像に絶するものとなりますが、グリーフプロセスと密接に関係する「時間軸」を主として考えた時に、死別後、時間が経っても辛い状況というのは存在します。 「時間が経てば ...言葉にできるものとできないものに分けること「どう伝えたらいいか分からない」-私自身が妻を失ってから悩んだ部分です。 哀しい、だけではうまく伝えきれていないという感覚もありつつ、でもそれ以上の言葉が見つからないという状態がずっと続きました。 言 ...第三者には理解されないからこそテクニックが必要になる先日 Twitter でもつぶやきましたが、若年死別だろうが何だろうが、死別体験というのは、その個人にとっては人生を揺らがすほどのインパクトを持っていますが、他人から見ればそれは「他人様の死」というだ ...イベントをやった方がいい理由一周忌や三回忌など、死別してからも亡くなった人のための法事は続きます。 また、四十九日、百箇日などもありますし、月命日、命日などもずっと続いていきます。これだけ考えると、大切な人を忘れることなど絶対に ...小さな光が見えるときなぜ生きるのか、どうして自分は生きているのかと自問自答を繰り返し、自分自身を喪失してしまうようになり、絶望という名の闇の中を歩いているとやがて小さな光があることに気づきます。 「止まない雨はない」「夜 ...哀しむことを避けてはいけない大切な人の死というのは、人生で最も衝撃が大きい出来事ですが、それだけ大きければ当然受け止めるだけでも並大抵のことではありません。 ほとんど多くの人がこの深い深い哀しみを受け止めることができず、哀しみに ...ユーモアの力を活用するグリーフでは、あらゆる困難が降りかかります。その時に問われるのは、自身の態度です。 悲嘆から絶望を感じるのか、それともわずかな手がかりや光を見ようとするのか。当然後者の方が良い訳ですが、実際にはそう簡 ...感情コントロールのサイクル死別体験からくる大きな悲嘆の感情は、誰に取っても耐えがたく、またその後の人生に長く横たわるものです。 「人間は感情の動物である」と言われますが、まさにこの「感情」があるからこそ、私たちは嘆き哀しむわけ ...断ち切られたものと決して断ち切られることのないもの愛する人との別れは、それ自体(一次喪失)とそこから派生する二次的喪失に分けることができます。もちろん最も辛く苦しいのは一次喪失であり、これがなければ二次的喪失は起こりません。 一次喪失を理解し受け入れ ...身体の反応を無視してはいけないグリーフでは、主に心の動きや感情、価値観といった点がフォーカスされやすいですが、一方で、身体にも大きな影響を与えることも見逃せません。もちろん、亡くなられる方は身体的な原因が多くありますが、遺族のほう ...哀しみの中に浸っていたい突如、死別による喪失から悲嘆の中に放り込まれ、茫然自失の中からマイナススタートで自身の人生を再構築し、時間をかけてそれなりの形を作ってきたはずが、実は哀しみを昇華しきれておらず、ずっと悲嘆に暮れるとい ...衝動グリーフプロセスは有名な「死の受容のプロセス」をはじめとして様々な段階説が存在します。 そのどれもが深い研究から導き出されたものであり、疑う必要もありませんが、必ずしもその通りに進むかと言えばそこには ...グリーフは生と死の間に橋を架ける行為なのかもしれない先日、Twitter で以下のようなつぶやきをしました。 https://twitter.com/dan3256/status/1397313395666219010 投稿してから自分でも「なるほどな ...あなたは楽しんではいけない喪失による影響は様々ですが、罪悪感に紐づく価値観の中に「愛する人が亡くなっているのに関わらず、自分の好きな時間を過ごす」「友達と会って楽しむ」といった行為に難色を示すケースがあります。 これはなかなか ...死別後はいったん留まろう大切な人がこの世からいなくなってしまうという事実はその後の様々なことに影響を与えるわけですが、伴侶の喪失でもっとも影響を受けるのは私たちです。 目に見えない影響は大きく、それは第三者からは想像すること ...あっちの世界とこっちの世界あの世はあるのでしょうか。天国は存在するのでしょうか。 正直なところ、喪失体験をするまでそんな命題は大した意味などありませんでした。どっちであっても自分には関係ないし、そこまで真剣に考える必要もなかっ ...「取引」はエゴとの戦い「彼女が助かるなら僕は何でもします!どうか神様、助けてください!」 映画でよく見かけるこんなセリフ、まさか自分が言うとは思いませんでした。そんな安っぽいセリフが口をついて出てしまうほど、追い詰められて ...古い役割の喪失と新しい役割への適応グリーフを勉強していくと必ずと言っていいほど「役割」について知ることになります。 人生において誰もが役割を持っていてその役割を演じているが、喪失体験を通してその後の役割が変わってしまうという文脈で語ら ...哀しみは新しい友人大切な人がこの世を去り、私たちが毎日感じる哀しみは、時に突き刺すように鋭く、時にじわじわと静かに浸透します。何年経っても哀しみは消えることはありません。 https://twitter.com/dan ...死別したからこそ僕たちは愛を叫ぶ「死んだら終わり」そんな風に思う時もありました。しかし、そうではないという経験もしてきました。 https://twitter.com/dan3256/status/14199979104988733 ...哀しみは愛する人とのつながり喜怒哀楽という感情のうち「哀しみ」と「怒り」が残りの感情を飲み込んでしまうのが、私たち遺族の普段の感情でしょう。 特に喪失直後には、この感情を中心に様々な感情が心の中を渦巻いています。それは亡くなった ...バラ色の人生「バラ色の人生」という表現をします。自分の人生において大切な人ができて、その人が「愛する人」となって結婚して夫婦になる―こんな当たり前のこと、でも奇跡的なことが起きると、やはり「バラ色の人生だな」と思 ...グリーフの知識は心を理解するためのツールに過ぎない喪失というのは、その体験を通じて自分自身の心や体のバランスを崩し、立ち直れないくらい打ちのめされることも含まれています。愛する人を失ったという事実だけでなく自分自身も失ったというのが正解と言えるでしょ ...哀しくない訳じゃないグリーフへの理解が徐々に進んでくると、日常生活に新たなリズムが形成されていきます。 「大切な人の不在」が生活の中に組み込まれていくことになります。 例えば家族の中で旦那さんが亡くなれば「旦那さんが亡く ...生きる力保険の商品名みたいなタイトルですが、中身は真剣です。 「生きる力」は喪失体験者にとっては対極のテーマでしょう。しかしだからと言って取り上げない訳にはいきません。なぜなら愛する人が先に逝ってしまっても、 ...哀しめなくなる時がくるグリーフプロセスは果てしなく長い道のりですが、グリーフプロセスは変化の連続でもあります。 哀しみの最中にいる人にとっては全く信じられないかもしれませんが、実はいつの日か簡単に哀しめない時がやってきます ...【死別・喪失直後の方向け】今とても苦しいなら遺族はその経年によって徐々に心境の変化がありますが、特に初期段階においては、非常に辛い時期や辛い状況、心境におかれることになります。 そうやって過ごしていく中で徐々に気持ちの変化はあり、そのグリーフプ ...もうここには「いない」という事実についてグリーフプロセスの最終段階は「受容」と言われていますが、簡単に言えば「大切な人が亡くなった」という事実を、フラットな状態で受け入れているということになります。 つまり、「大切な人の死」を認めて生活して ...非日常を日常にすること「想定の世界」という言葉があります。私たちは常に想定の世界に生きています。 https://twitter.com/dan3256/status/1483951954443522048 何気ない日常。 ...自分と他者の間には埋められない溝があることを知っておく 死別体験者(いわゆる当事者)と、周囲の方々とは様々な面で温度差があります。死別のショックのため、その温度差に気づかず、意図せず傷ついてしまうことも多いのが死別体験です。 価値観がグラグラ ...夫婦のカタチ若年死別という経験をするとそれまで知らなかった世界が開けてしまうわけですが、例えば死別すると戸籍上も、寡婦(寡夫)なんて言い方をします。それまでは「未亡人」くらいの単語は知っていましたが、「かふって何 ...死別体験者の哀しみは深まるばかり死別体験者にとっては当たり前のことでも、体験していなければ分からないことが沢山あります。またそれらはなかなか理解されるものでもなく、それによって余計孤独を感じるため、死別体験者の哀しみは深まるばかりで ...愛の5つの言語で夫婦関係を考える「愛を伝える5つの方法」という本をご存じでしょうか。人間関係の構築、特に夫婦関係には有効な手段が説明されています。 すでに死別した夫婦にとっては「時すでに遅し」と思うかもしれませんが、いえいえそんなこ ...哀しい別れが来ると分かっていても出会いたいと願う先日このようなアンケートを実施しました。 「あなたの大切な人が生きているとします。しかし1年後に死別することが分かっていた場合、それでも出会いたいと思いますか?」 この投票結果が以下になります。 ht ...遺族の哀しみは決して周囲には理解されない先日、Twitter にてこのようなアンケートをとらせていただきました。ご協力いただいた方、どうもありがとうございました。 「自分自身の死別体験による悲嘆感情」を100%とした場合、そのうち、他者(家 ...こんなにも沢山の幸せを失ったなんて先日、以下のアンケートを連続で実施させていただきました。 私たちは「愛する人を失うことによって一体何を失ったのか」を知りたいと考えたからです。最初のアンケートはこちら。 https://twitter ...時間薬グリーフワークでは必ず登場するといっていい「時間薬」という言葉があります。「時間が癒してくれる」という意見がある一方、「時間は関係ない」という意見も見られます。 果たして時間薬とは何なのか、私個人の意 ...形見の取り扱いは人それぞれでいい先日久しぶりにアンケートを取らせていただきましたが、またまた予想外の答えが多かったので記事にすることにしました。 テーマは「遺品/形見」です。 まずはアンケートとその結果をご覧ください。 死別後、故人 ... Post Share Hatena この記事を書いた人最新記事 dan32510年ほど前に妻を癌で亡くしました。若年死別経験者。愛する人や大切な人の喪失や死別による悲嘆(グリーフ)について自分の考えを書いています。今まさに深い哀しみの中にいる方にとって少しでも役に立てれば嬉しいです。2024/04/30形見の取り扱いは人それぞれでいい2023/08/06時間薬2023/04/08こんなにも沢山の幸せを失ったなんてdan325の記事をもっと見る -コラム -グリーフ, グリーフプロセス, グリーフワーク, ストレス, 伴侶, 哀しみ, 喪失, 悲嘆, 愛, 愛情, 時間薬, 死別, 認知の歪み, 配偶者